見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

理論

この人たちは、何人の死者たちを見送ってきたのか。
この人たちの脳裏には、何枚の死者たちの記憶がたたまれているのか。
この人たちは、どれほどの悲しみの波にもまれてきたのか。
この人たちは、いくたび不当な仕打ちに耐えてきたのか。

適者生存、自然淘汰、優勝劣敗。
この自然界の理論をもって民を支配し、ひたすらに力の道を歩み続けた国。その方向性を曲げようとしなかった国。
その残像が、この人たちの日々をも陰らせたのだ。
それぞれに。

背骨がきしむ思いをして、のしかかる重荷に耐え続けて、この人たちが長い人生を生きてきたのは。生き延びてきたのは。
適者生存、自然淘汰、優勝劣敗。この理論がこの人たちの人生においても証明された。そういうことだったのか。
そうであれば。

この人たちが宿しているすこやかな弱さ。おだやかなやさしさ。
それはどこから来たものなのか。何がもたらしたものなのか。