見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

フットライト

真夜中のホテルの部屋。深い闇の中、足元灯の明かりが、寝台に投げ出された片足の足指と、足の甲を照らしている。

昼間会った人が話していた。手をかざすことで、手から発する霊力があらゆる病を癒す、親類がそう信じていると。

足元灯の光も、この片足に隠された見えざる病を癒すのか。

それとも。行く手のおぼつかない道程をなおも行かねばならないこの足を、幾許かでも照らす、これは灯火なのか。

今足元灯が照らしているのは、くたびれた土色の道具の、ぼんやりとした輪郭のみ。