見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

秘められたものは

美しい自然の風景を切り取った鮮やかな写真。深い森の中での落ち着いた、穏やかな暮らしから紡ぎ出された言葉や陶器。木漏れ日の差す道を、ゆっくりと歩いていくように流れる旋律。 そうしたものに触れると、心が豊かになります。ひととき、安らぎの時間をい…

摂理

摂理。もともとは「前もって知る」という意味の言葉です。ここでの「知る」とは、ただ知識として知るということにはとどまりません。「配慮する」「思い巡らせる」「愛する」という意味合いをも含む言葉です。親は子を生んだ後にそのまま放っておくことをし…

破れる

厚紙の両端を両手で持って、真ん中から引き裂く。特別な力を要します。引き裂かれていきながら、紙が音をたてます。 戦況を伝える番組を視た後、その作業をした。 平和が破れる音にも聞こえました。

人間

神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。…」(創世記1章26節)主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。(同2章7節) 人間の創造は、他の造られた…

創造

初めに、神は天地を創造された。(創世記1章1節) 聖書全巻は、この言葉によって語り始められます。 神の創造は「無からの」創造でした。木を切り出して家や家具を作る。小麦をこねてパンを作る。このように、すでにあるもの(素材)を用いて何かをつくる…

葉群

昨日の雨も上がり、初夏を思わせる日差しの午後、家の近くの緑地公園まで散歩しました。鮮やかな青葉が、微風に揺れていました。 おびただしい枚数の葉群。けれど、一本の樹の下に立って見上げれば、それらは一枚一枚の「個」であり。 芽吹き、夏の陽光に輝…

硝子瓶の中の液体層をなすふたつの部分 上のほうの澄んだ部分はすぐにも口をついて出る部分底のほうの澱んだ部分はなかなか声にならない部分

あなたは神

主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。山々が生まれる前から大地が、人の世が、生み出される前から世々とこしえに、あなたは神。(詩編90編1、2節) 日本人の宗教観には、自分の内なる何者かが神であるとの理解も見られます。しかし、聖書におい…

目当て

大団円、という言葉があります。つじつまが合う、帳尻を合わせる、という言葉もあります。最後がそうである、という人生は幸せなのかもしれません。 が、聖書を読んでいると、破れたまま、ほころびたまま終わる人生もありではと思うときがあります。不合理な…

真理を知る

あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。(ヨハネによる福音書8章32節) 真理という言葉の意味を辞書で調べてみたら「本当のこと、まことの真理」と出ていました。また「判断や推理の正しさ」という意味も出ていました。あるいは、この世…

福音―神の義

福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。(ローマの信徒への手紙1章17節) 人はイエス・キリストを信じる信仰によって義とされます。…

福音―神の力

わたしは福音を恥としない。福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。(ローマの信徒への手紙1章16節) 使徒パウロは、わたしは福音を恥としないと言います。なぜパウロはわざわざこのような言いかた…

神(4)

昔から多くの人々が(よく知られた哲学者たちも含めて)神が存在することを証明しようとしてきました。世界は運動をしており、その世界の動きのおおもと、第一原因、第一動力ともいうべきものが神であるとか、物事に結果と原因とがあり、その因果の法則を操…

義のために迫害される人々は、幸いである(2)

義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。(マタイによる福音書5章10節) 迫害を受けることがなぜ喜びなのでしょうか。第二に、天における報いが大きいからです。キリスト者はこの世のことだけをはかりとして生きるので…

義のために迫害される人々は、幸いである(1)

義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。(マタイによる福音書5章10節) 主イエスが「迫害される人々は」と仰せになっているので、この問題も考えなければなりません。なぜ教会とキリスト者は迫害に遭うのでしょうか。…

いつもの仕事

幾日かに一度ごみ収集車が町内を巡る朝 軒をつらねる家々から幾人かの老人たちが出てきていつもの仕事をこなす日々 暮らしていくために大切な仕事 黄色いネットをごみで膨らんだビニール袋にかぶせコンクリートブロックを四隅に置くごみをからすに荒らされぬ…

神(3)

近代のヨーロッパでも無神論が唱えられました。神学生の時に授業で、あるドイツの哲学者について学んだことがあります。神とは人間が生み出したものにすぎないという主張を展開した人です。かいつまんで紹介すればこうです―人間のうちには幸福を求める自己愛…

神(2)

聖書は「ただひとりの」「生けるまことの神」(ウェストミンスター小教理問答問5)を証しする書物です。キリスト者にとっては神の存在は当然のことですが、いわゆる無神論者と呼ばれる人々もあります。日本の国にも、またわたしたちの周囲にも、神などない…

神(1)

神とはどのような方か。答えるのがなかなかむずかしい問いかもしれません。神はわたしたち人間を超えておられるからです。しかし永遠者、超越者であられる神を、人間の限られた言葉をもってある程度は言いあらわすことができるでしょう。 ウエストミンスター…