見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

いつもの仕事

幾日かに一度
ごみ収集車が
町内を巡る朝

軒をつらねる家々から
幾人かの老人たちが出てきて
いつもの仕事をこなす
日々 暮らしていくために
大切な仕事

黄色いネットを
ごみで膨らんだビニール袋にかぶせ
コンクリートブロックを
四隅に置く
ごみをからすに荒らされぬよう

いろいろなことが起こり来る中で
皆 長い人生を過ごしてきた
いろいろな仕事を 黙って
律儀に背負ってきた
この仕事も
同じように背負い続ける

身内にまつわる不意の知らせに
打たれる日もあるが
長い友人の急な訃報に
接する日もあるが

しばらく 心は
波打っていても
じきにおさまるから
静かな日常が
何事もなかったように
また戻ってくるから

幾日かに一度
ごみ収集車が
町内を巡る朝

老人たちは
変わりなく いつもの仕事をこなす
黄色いネットは足にからまるが
忍耐深くそれをほどき
ごみで膨らんだビニール袋にかぶせ

老いの手に 次第に重みを増す
コンクリートブロックをかかえて
四隅に置く

腰を折り
膝を屈め
首を垂れて