2024-04-01 有事 おりおりに 永瀬清子『焔に薪を 短章集3』より。 「戦争が来たらと云う。 戦争が来たら、という声そのものがもう有事なのだ。 戦争で一番おそろしいのは 一時の気の迷いで後悔を贖うことだ。 えらい詩人にもたくさんの例があることを私は見ている。 自分の信ずる事以外にはしたがうまい。 そんな単純な事でもちゃんときめておかないと きっとその時になれば 五寸釘を折り曲げるように曲げられる世の中になるのだ。 おそろしい。 私はもう有事を語っている。」