見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

鳩の魂

あなたの鳩の魂を獣に渡さないでください。
あなたの貧しい人々の命を
永遠に忘れ去らないでください。
詩編74編19節)

旧約聖書詩編を読んでいると、時にはっとするような言葉と出会います。今朝は「あなたの鳩の魂を獣に渡さないでください」という言葉と出会いました。

「鳩」について。旧約聖書の律法には、信仰者はエルサレムの神殿に詣でた際に、犠牲の動物をささげるよう命じられていました。本来は小羊をささげるべきなのですが、経済的なゆとりがなく、動物をたずさえていくことができない場合には、鳩でもよいとされていたのです。
そうすると、「鳩」は(犠牲としてささげられる鳩ということにとどまらず)貧しい人々そのものをさしており、「鳩の魂」はそのような人々の魂を言ったものと見ることができそうです。

注解者によれば、この詩は文学類型から言えば「民族の嘆きの歌」。敵に囲まれ、苦難と危機のただ中にあった信仰の民が、救いの神に希望を置いて神を呼び求めた歌であるとのこと(「獣」は敵をさすでしょう)。

「鳩の魂」が、神を呼び求めたのです。