見張りが朝を

日本キリスト改革派岐阜加納教会牧師のブログ

人生の目的

ウエストミンスター小教理問答の問1は「人生の主要な目的は何ですか」と問います。この問いを初めて目にされたある方が、わたしはもう何十年も生きてきたのに、人生の目的などということを考えたこともありませんでしたとおっしゃったのを、今も覚えています。

さまざまなことが人生の目的になり得ます。財産を築くこと。地位や名声を得ること。大きな仕事を成し遂げること。しかし、これらは地上における人生の目的、ということにとどまります。そして、いずれも不確かです。財産を一瞬にして失うということがあります。地位や名声も同様です。何よりも、わたしたちの命そのものが不確かです。自分が明日生きているかどうか。明日も命があるのか。だれにもわかりません。

「人生の主要な目的は何ですか」との問いに、小教理問答は答えます。「人間の主要な目的は、神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶことです」。また、ジャン・カルヴァンの手になるジュネーブ教会信仰問答の問1はこうです。「人生の目的は何ですか」「神を知ることです」。
これらの問答は、わたしたちの目を永遠の領域に向けるべきことを教え示します。永遠者である神を探求すべきことをうながします。

人生の確かさは、わたしたち自身の中にはありません。自分のうちにある何ものかを頼りにしているかぎり、人生は不確かです。
人生の揺るぎなき土台、岩、命のとりで。それは神です。「わたしはある」と言われ、わたしたちに「あなた」と呼びかける永遠者です。この方を知ることによって、わたしたちははじめて人生の意味を知ることができ、この世界の真理と歴史の意味をも知ることができます。神を知ることは、真理を知ることです。そこでこそ、人生の目的は確かなものとなるのです。